やさしい革の診察券ケース:POCKET 03製作手順

作業時間:2時間半~半日

難易度:
作業工程:ボタンの取付けあり

キャッシュレス化が進んでも、診察券やポイントカードなど「どうしても紙のカードで持っておきたいもの」はまだまだ残っています。 気づけばカードが数十枚になっていて、財布がパンパン…という経験がある方も多いはずです。

この診察券ケースは、必要なカードだけをすっきりまとめられる“容量が決まったケース”。 入れすぎを防げるので管理がしやすく、どんなカードが入っているかも一目で分かります。

家に保管しておきたいキャッシュカード・クレジットカードと、持ち歩く診察券・ポイントカードを2つに分けて管理すると、生活がぐっと整います。

作業時間は早い方で2時間ほど。 週末のちょっとした時間に、ぜひ一つ作ってみてください。


完成イメージ

完成イメージはとてもシンプルで、気にするポイントはベルトの厚みだけ。 そのため、革の種類や色は自分の好みに合わせて自由に選べます。

構造はすべて平面でできているので、レザークラフトの基本である 「切る」「貼る」「縫う」 を試すのにちょうどいい作品です。 プレゼントにも喜ばれるデザインで、初心者の方でも安心して取り組めます。

また、ボタンの取り付けが必要になるため、 “ワンランク上の作品に挑戦したい人”にも満足できる難易度になっています。


仕上がりサイズ
85mm × 110mm × 30mm(幅×高さ×奥行)

推奨する革の厚み
本体①、ポケット:1.6~2.0mm
ベルト:2.0~2.5mm

準備するもの(材料と道具)

今回の「優しい革の診察券ケース」は、 切る・貼る・縫うが中心のシンプルな構造なので、一般的なレザークラフトの道具で作れます。 基本の道具に加えて、以下の材料をご用意ください。

【必要な部品】
・カードケース(中身)
 100均でも手に入ります
・ジャンパードット(小)#7060
・ジャンパードット打
・オールマイティプレート

【あると仕上がりがきれいになる道具】
・ディバイダー(縫い線を均等に引ける)
・銀ペン(革に印をつけやすい)


手元の道具に少し足すだけで作れる内容なので、 “週末にひとつ作ってみる”にちょうどいい難易度です。

型紙の概要

① 初心者でも失敗しにくい縫い代設計

型紙にはステッチの穴位置をすべて指示しています。
菱目打ちに慣れていないと、同じリズムで打っているつもりでも少しずつピッチがずれていくことがあります。

この型紙では、

・基準の穴位置だけ革に転写して、菱目打ちで微調整する方法

・すべての穴位置を転写して、そのまま縫う方法
のどちらにも対応。

自分の作業スタイルに合わせて使える、柔軟で失敗しにくい設計になっています。

② 厚みを変えても形が崩れにくい構造

中にプラスチック製のカードケースを入れる前提で設計しているため、
革の厚みが多少変わっても形が崩れにくいのが特徴です。

しっかりしたカードケースなら 薄めの革でもOK

100均のカードホルダーを使う場合は 2mm前後の革だと安定します。

初心者でも安心して作れるよう、形状の安定性を優先した構造になっています。

③ シンプルなのに高級感が出る仕様

ステッチのピッチを細かくすると確かに綺麗になりますが、そのぶん縫う距離が増えて挫折の原因にもなります。

そこでこの型紙では、
“手縫いの温かさ”と“作業量のバランス”が最も美しく見える位置とピッチ
を採用しています。

シンプルな構造でも、上品で丁寧な印象に仕上がるデザインです。

型紙が欲しい方はこちらから

型紙ページ

型紙の使い方

型紙を上手く使うポイントを紹介します。

P2の型紙は「革に転写するための図面」

P2の型紙は、革に形を写すための図面です。 厚紙に貼り付けてから使うと、形が安定して転写しやすくなります。

ステッチラインは「けがき → 印付け」の順番で

綺麗なステッチラインを作るために、まずはディバイダーで 革の端から3mmの位置にステッチラインをけがきます。

その後、型紙を革の上に置き、 緑の〇の中心を丸ギリで“跡が残る程度”に軽く印をつけていきます。

ここでのポイントは、 穴をあけ切らないこと。 あくまで「位置の目印」として使います。

中心線を転写しておくと貼り合わせがズレない

型紙には中心線を入れています。 この中心線を、本体とポケットの側面(コバ)に軽く転写しておくと、 貼り合わせるときの位置合わせがとても楽になります。

ズレやすい工程なので、中心線の転写はおすすめです。

制作の手順

今回は手縫いでの工程をご紹介します。 ミシンでも制作できますが、ここでは一針ずつ進める前提で説明します。

型紙に合わせて革を切り出す

ポケットのサイズが「大きい?」と感じるかもしれませんが問題ありません。 ポケットは本体より一回り大きく設計しています。 これは、裁断によるわずかな誤差を後工程で吸収するためです。

組み立てる前にパーツを整える

組み立てに入る前に、単体でしかできない処理を先に済ませます。

・コバ処理のタイミング
・接着位置の確認

これらは「完全版フル図面」で細かく確認できます。
ベルトは強度が必要なパーツなので、2〜2.5mm程度の厚みが理想です。
1枚でその厚みが用意できない場合は、貼り合わせて作っても問題ありません。
また、ベルトは
先にステッチ → その後ジャンパードット取り付け
の順で進めると綺麗に仕上がります。

貼り合せる

まず、本体単体でステッチラインの穴位置を型紙を使って転写します。
※この段階では穴をあけ切らないのがポイントです。
次に、
・ベルトを付けない側のポケット
・本体
この2つには、貼り合わせる前にコバに中心線を銀ペンで転写しておきます。
これをしておくと、貼り付け時の位置決めがとても楽になります。

ベルト側については、
ベルトを取り付ける位置を本体に転写しておくと、正確に貼り付けられます。

接着剤はゴムのりを使用しています。

本体からはみ出した部分をカット

左右の縦ラインを基準にポケットを貼り付けると、上下が少しはみ出します。 このはみ出した部分を整えていきます。

革包丁が苦手な方は、 カッターや裁縫用のハサミで本体のラインに合わせてカットしても大丈夫です。

ステッチを入れる

先ほど転写したステッチラインに沿って、 菱ギリで1つずつ丁寧に穴をあけていきます。

5mmピッチの菱目打ちを使うと直線が出しやすいですが、 木槌の音が気になる環境では、 菱ギリで静かに開ける方法が安心です。

コバの仕上げ

ポケットの表面のヘリを落とし、トコヌールなどでコバを仕上げます。 このタイミングで軽くヤスリがけをすると、 銀ペンでつけた中心線の印もきれいに消えます。

ポイントは貼りつけの基準を守る

ポケットの両端がはみ出しているため、「どこに貼ればいいの?」と迷いやすい工程です。

そこで大切なのが、“基準となる1点と1本の線”を決めて貼ること。

そのために図面には中心線(1点鎖線)を入れています。 本体とポケットの側面(コバ)に、銀ペンなどで軽く印をつけておくと、 貼りつける位置が一瞬で決まり、ズレずに仕上がります。

今回使用した やさしい革の診察券ケース は、こちらからご購入いただけます。
再現性を高めるために、細かな指示(貼り合わせ位置、穴位置のガイドなど)を丁寧に記載しています。
「本当に自分にも作れるかな…」と不安な方でも、
手順通りに進めるだけで、ちゃんと形になるように設計しています。
ぜひ、“自分にも作れた”という達成感を味わってみてください。

型紙ページ