歩き始めた子どもが、はじめて持つバッグ。「一緒につくったんだよ」と将来伝えたくなるような、特別なアイテムです。
お出かけ前に、自分でバッグを持ってお気に入りのおもちゃとおやつを入れる姿を見ると、つくった時間が報われるような気持ちになります。
レザーの傷が気になる方もいますが、子どものバッグにつく傷は“成長の証”。簡単なお手入れで目立ちにくくでき、物を大切に扱うことを教えるきっかけにもなります。
デザインは上品でやさしい丸みがあり、子どもが持つととてもかわいい。
立体的なのに工程は少なく、半日で完成する手軽さも魅力です。
仕上げでは、表同士を縫ったあとに裏返す工程があります。
小さなバッグのため裏返す際に接着面へ力がかかりやすく、ミシンでも手縫いでも作れますが、テンション調整がしやすい手縫いをおすすめします。
小さなおもちゃとおやつが入る、ちょうどいいサイズのバッグです。
開け閉めはマグネット式なので、「つかむ」動作を練習中の2歳頃から使えます。
安全面が気になる方は、肩紐にセーフティフックを付けることで、万が一のときにもすぐ外れるようにできます。
革を漉く作業が苦手な方は、最初から薄めの革で挑戦しても問題ありません。
扱いやすく、初心者の方でも安心して取り組めます。
仕上がりサイズ
130mm × 80mm × 40mm(幅×高さ×奥行)
推奨する革の厚み
本体①、②、マチ:2.0mm(部分的に1.5mmに薄くする)
ショルダー根革:2.0mm


今回の「はじめてのバッグ」は、
切る・貼る・縫うが中心なので、一般的なレザークラフトの道具で作れます。
基本の道具に加えて、以下の材料をご用意ください。
【バッグを作るための部品】
・角カン(10mm×10mm)
・肩紐(10mm幅)
・セーフティフック
・両面かしめ(中)
・マグネット(ボタンでもOK)
かしめは手打ちでも問題なく仕上がりますが、「何度も作りたい」「もっと安定させたい」という方は、ハンドプレス機に替えると作業がスムーズになります。
・オールマイティプレート
→ ハンドプレス機
・かしめ打ち
→ ハンドプレス用かしめ打駒(中)
・木槌 → 不要
どれも特別な道具ではなく、
手元の道具に少し足すだけで十分に作れる内容です。“週末にひとつ作ってみる”にはちょうどいい準備量だと思います。
型紙は全部で 6枚 あります。
子どもが触れても安全なように、金具の裏に裏地を貼る仕様にしているため、
一般的なバッグよりも少しパーツ数が多めです。
ブログでは型紙の一部のみを掲載していますが、
実際の販売版は、より丁寧に作りやすく仕上げています。
「同じクオリティで作りたい」「細部まで知りたい」という方には、
コバ処理・穴位置・貼り合わせ位置などを細かく記載した
完全版フル図面 もご用意しています。
型紙は、
・まずは同じように作ってみたい方
・厚みや穴位置など自分で決めたい方
どちらにも選んでいただけるようにしています。
ご自身のレベルや目的に合わせてお選びください。


今回は、手縫いでの工程をご紹介します。
ミシンでの制作も可能ですが、ここでは一針ずつ進める前提で説明します。

型紙を革に当てて、キリなどで位置を写し取ってから切り出します。
ここはレザークラフトでおなじみの作業なので、いつも通り、落ち着いて丁寧に進めていきましょう。

組み立てに入る前に、単体でしかできない処理を先に済ませておきます。
コバや床面の処理、漉きの範囲、接着位置などは、「完全版フル図面」で細かく確認できます。
特に、マチを取り付ける部分はすべて革漉きを行います。
ここを丁寧にしておくと、後の立ち上がりがきれいに仕上がります。
また、
・マグネットの取り付け
・マチにショルダー根革を付ける作業
この2点については、このタイミングで行っておくとスムーズです。

後でバッグをひっくり返すため、表面同士を貼り合わせて進めます。
このとき、接着面のやすり掛けは広げすぎないことが大切です。
裏返した際に、やすりをかけた部分が接合面から見えてしまうことがあるためです。
貼り合わせの順番は、
[先に接着 → 穴あけ → 縫う]
でも問題ありませんが、ステッチラインをより美しく仕上げたい方は、事前に各パーツの穴位置を決めておき、縫いながら貼り合わせる方法をおすすめします。
また、裏返すときや使用時には端部に強い力がかかるため、端の縫いはしっかりと、丁寧に仕上げてください。

ここは意外と苦戦しやすい工程です。
コーナーのマチ部分を少しずつ押し込みながら裏返していくのがコツ。
一気に力を入れるより、指先で少しずつ形を整えるように進めるときれいに返せます。
また、革が硬すぎるとシワが入りやすく、
裏返しにくいこともあるため、革選びも大切なポイントです。

フタの曲がり具合は、使う革によって少しずつ変わります。
そのため、マグネットの位置に合わせて裏地を貼りつけるのがポイントです。
フタを貼りつける際の基準線はあくまで“目安”なので、多少前後しても問題ありません。
実際にフタを曲げてみて、自然に収まる位置で貼りつけて大丈夫です。

フタの裏地を貼りつけたら、
まずは本体のラインに合わせて余分をカットします。この段階で形がきれいに整うので、ゆっくり丁寧に進めるのがおすすめです。
次に、カットした断面のコバを仕上げます。ここを整えることで、フタ全体の印象がぐっと上品になります。
最後に、裏地を縫い合わせるためのステッチを入れて仕上げます。フタの動きやすさにも関わる部分なので、まっすぐ丁寧に。

角カンに肩紐を取り付けます。
10mm幅のベルトでも問題ありませんが、丸い革ひもを使うとより可愛らしい雰囲気に仕上がります。
また、子どもが使うバッグのため、
首に引っかかったときに外れるセーフティフックの取り付けをおすすめします。
安全面をしっかり確保しつつ、安心して使えるバッグに仕上げてください。
こどもは、大人が想像しないような使い方をすることがあります。
実際、フタの部分にはツメで引っかいた小さな傷がたくさんつきます。せっかくきれいに作ったのに…と、がっかりしてしまうこともあるかもしれません。でも、その傷はこどもとの思い出の証です。
傷がついたら、上からオイルやクリームを軽く塗ることで馴染んでいきます。
革は“育てる素材”なので、時間とともに色艶が深まり、傷も含めてその子だけの表情に変わっていきます。「この傷はあの日のあの瞬間だな」と思い返せるのも、革製品ならではの楽しみではないでしょうか。
それでも、できるだけ綺麗な状態を保ちたい方は、ガラスレザーなど傷がつきにくい革を選ぶのもひとつの方法です。

今回使用した はじめてのバッグの型紙 は、こちらからご購入いただけます。
再現性を高めるために、細かな指示や貼り合わせ位置、穴位置のガイドなどを丁寧に記載しています。
「本当に自分にも作れるかな…」と不安な方でも、
手順通りに進めるだけで、ちゃんと形になるように設計しています。
ぜひ、“自分にも作れた”という達成感を味わってみてください。
