もう探さない!レンズキャップケースの作り方

作業時間:2時間半~半日

難易度:
作業工程:革の厚み調整

美しい景色を見た瞬間、レンズキャップを外してポケットに。
写真を撮り終えて…あれ?キャップどこに入れたっけ?

こんな経験をした人は僕だけじゃないと思います。
このキャップを気軽にスッと入れる場所があるといいと思いませんか?

今回は、ばね口金を使ったケースを作ってみました。

僕が持っているキャップの最大径は82mmなので、それがスムーズに入るサイズにしています。

作業時間は早い方で2時間ほど。 週末のちょっとした時間に、ぜひ一つ作ってみてください。


完成イメージ

シンプルな構造ですが、使い勝手や見た目を綺麗にするために厚みを調整する必要があります。
平面的な作品が作れるようになって、そろそろ厚みをコントロールしたい!と“ワンランク上の作品に挑戦したい人”にちょうどいい難易度難易度になっています。

レンズキャップケースにはなりますが、形を変えて眼鏡ケースなどにも応用できるためバネ口金をマスターしましょう。


仕上がりサイズ
115mm × 140mm × 20mm(幅×高さ×奥行)

推奨する革の厚み
1.5mmをベースに部分的に漉きを入れます。

準備するもの(材料と道具)

今回の「もう探さない!レンズキャップケース」は、 切る・貼る・縫うが中心のシンプルな構造なので、一般的なレザークラフトの道具で作れます。 ただ、漉く作業が入るので基本の道具に加えて、以下の材料をご用意ください。

【必要な部品】
・バネ口金(長さ12cm)
・Dカン(20mm)
・カラビナ

【あると仕上がりがきれいになる道具】
・フレンチエッジャー、豆カンナ(革を漉くための道具)
→革漉き機があると安定して作れます
・ノギス

型紙の概要

① 初心者でも失敗しにくい縫い代設計

型紙にはステッチの穴位置をすべて指示しています。
最後は裏返すのでステッチラインがその形を決めます。

この型紙では、すべての穴位置を記載していますので
想定外の場所に穴をあける心配がありません。
また、菱目打ちがなくても作れるように対応しています。

② 場所ごとの厚みを記載

今回の作品は厚みのコントロールが肝になります。
バネ口金を取り付ける部分は0.5mm変わるだけで操作感が全然変わるので
革を漉く範囲をしっかりと明記していますので

部位ごとの厚みを確認しながら作業できます。

③ シンプルなのに高級感が出る仕様

ステッチのピッチを細かくすると確かに綺麗になりますが、
そのぶん縫う距離が増えて挫折の原因にもなります。

そこでこの型紙では、
“手縫いの温かさ”と“作業量のバランス”が最も美しく見える位置とピッチ
を採用しています。

シンプルな構造でも、上品で丁寧な印象に仕上がるデザインです。

型紙が欲しい方はこちらから

型紙ページ

型紙の使い方

型紙を上手く使うポイントを紹介します。

P1の型紙は「革に転写するための図面」

P1の型紙は、革に形を写すための図面です。 厚紙に貼り付けてから使うと、形が安定して転写しやすくなります。

また、革は漉くと伸びて寸法が変わる素材です。 そのため、型紙どおりに切り抜くと仕上がりが小さくなりやすいことがあります。

そこで、型紙の水色の線で一回り大きく切り抜いておくと、 漉いた後でも余裕を持って整えられ、きれいに仕上げることができます。

型紙の転写は床面(裏面)に

通常、型紙の転写は銀面(表面)に行いますが、 今回は銀ペンを使って床面(裏面)に転写します。

その理由は、きれいに仕上げるために、本体パーツを部位ごとに3つの厚みに調整する必要があるからです。

どの部分をどの厚みに漉くのかが一目で分かるように、 厚み調整のガイドとなる線を床面に転写しておきます。

ばね口金を入れる幅をしっかり測る

表と裏で、ばね口金を通す幅が少しでも違うと、 完成したときにパーツがズレて見える原因になります。

貼り付け位置は型紙から転写しますが、 革を折り曲げた後の“実際の寸法”を必ず測り直すことが大切です。

折り返し後の幅を正確に確認しておけば、 組み立てたときに「思っていた位置と違う…」というショックを防げます。

Dカンを付けたベルトの位置決め

Dカンを取り付けたベルトは、本体パーツの片側に貼り付けます。 その際、型紙の中央部分をくり抜いて位置を転写する方法、 または くり抜いた型紙の上から直接ベルトを貼り付けて、あとで型紙を抜く方法 が有効です。

どちらの方法でも、 ベルトの位置が正確に決まり、仕上がりがきれいになります。

制作の手順

今回は手縫いでの工程をご紹介します。 ミシンでも制作できますが、ここでは一針ずつ進める前提で説明します。

型紙に合わせて革を切り出す

今回は、革の厚みが一定ではありません。 そのため、最初から最終形で切り抜いてしまうと、漉く工程で形が崩れてしまう可能性があります。

そこで、まずは型紙より一回り大きく革を切り出し、 漉き作業が終わってから 最終的な形状に整える“2段階仕上げ” を行います。

この方法なら、漉きによる伸びや変形の影響を受けず、 きれいな最終形に仕上げることができます。

本体の厚みを調整する

本体パーツは、
①バネ口金を通す部分
②本体中央部分
③縫い合わせる部分
の3か所で、それぞれ適した厚みに調整します。

バネ口金を通す部分と本体中央部分は、 長方形の状態のまま必要な厚みに漉いて仕上げます。

一方、縫い合わせる部分は、写真の形状に切り抜いた後、 革包丁などを使って丁寧に漉いていきます。

この工程を分けることで、 必要な強度を保ちながら、縫いやすく、仕上がりも美しく整います。

パーツを貼り合せる

貼り合わせる前のパーツは、写真のように表面の中央にDカンとベルトが付いていない状態まで仕上げておきます。

貼り合わせる際は、ディバイダーで端から3mmの位置にケガキ線を入れ、 その線の内側をやすりなどで軽く荒らしておくと、接着力がしっかり出ます。

この下準備をしておくことで、 ズレにくく、強度のある貼り合わせができます。

縫い合せる

表面同士を貼り合わせたら、縫い合わせの工程に入ります。 縫い方は、両端から縫い始め、中央で糸の処理を行う方法を採用します。

この方法にする理由は、裏返す際に両端に強い力がかかるためです。 縫い終わりを端に置いてしまうと、力が加わったときに糸が緩む可能性があります。 そのため、縫い終わりを中央に集めておくことで、強度を保ちやすくなります。

縫い終わったら、曲線部分に切り欠き(ノッチ)をカッターやハサミで入れていきます。 この切り欠きは、裏返したときに形をきれいに整えるためのものです。

切り欠きは、深さだけは守る必要がありますが、幅は多少広くても問題ありません。

裏返してばね口金を通す

裏返す際は、爪で意匠面(表面)を傷つけないように、ゆっくり丁寧に作業を進めます。 裏返し終わったら、ばね口金を通していきます。

ばね口金には上下の向きがあるため、 取り付ける際は向きを間違えないように注意してください。

ポイントはステッチの位置を守る

バネ口金を通すためのステッチは、糸の太さを考慮して、基準線より1mm上にずらして配置しています。

もし両端を結んだ線の上でそのまま縫ってしまうと、 ステッチの厚み分だけ両端が下方向にズレてしまい、仕上がりに影響が出ます。

そのため、型紙で指定した穴位置どおりに穴をあけることがとても重要です。 型紙の位置を正確に守れば、ステッチラインがきれいに揃い、 仕上がりも美しく整います。

「もう探さない!レンズキャップケースの作り方」 は、こちらからご購入いただけます。
再現性を高めるために、細かな指示(貼り合わせ位置、穴位置のガイドなど)を丁寧に記載しています。
「本当に自分にも作れるかな…」と不安な方でも、
手順通りに進めるだけで、ちゃんと形になるように設計しています。
ぜひ、“自分にも作れた”という達成感を味わってみてください。

型紙ページ