CADって何ができるの?レザークラフトが変わる3つのこと

レザーの型紙を作るとき、こんな経験はありませんか?

左右対称のデザインを作ろう!

中心線から左半分だけを方眼紙に描き、それを切り出して転写、さらに右半分を描いて……
という作業を丁寧にやったつもりでも、できあがった型紙をよく見ると微妙にズレている。

シビアな寸法で作りたいパスケースとかの場合は、数ミリのズレで入らなくなったりするので失敗したときのがっかり感…

「また最初からか~」

結局つくるんですけど、この瞬間が一番つらいですよね。

あるいは、少し凝ったデザインにしようとしたとき。コンパスで描ける円か、定規で引ける直線か、その組み合わせで考えているうちに

「また似たようなデザインになってしまった」

そんな経験ありませんか?

フリーハンドで自由曲線をきれいに描くのって、正直かなり難しいです。

さらに、せっかく作った型紙をクリアファイルに保管していても、使う頻度が低いものは「捨てるべきか、取っておくべきか」と悩み続ける。
そして思い切って処分したあと、また同じものが必要になって作り直す羽目になる。

「もう少しだけ取っておけばよかったー!」

と思うことも少なくないはず!

このような「地味なストレス」を減らせるツール。

それがCADです。


型紙を”数字”で作れる

CADで型紙を作るとき、寸法は全て数字で入力します。

「幅100mm、高さ150mm」と入力すれば、その通りの長方形が画面上に現れます。
コンパスも定規も不要です。

左右対称のデザインも、CADなら一瞬です。
片側を作ったら「ミラー」という機能を使うだけで、完全に対称な形状が自動でできあがります。
転写も、ペン先のズレも、関係ありません。

一度これを経験してしまうと手描きには戻れないと思います。

さらに、曲線も数字でコントロールできます。
「このカーブをもう少し緩やかにしたい」と思ったら、基点をマウスで調整するか数値を変えるだけ。フリーハンドで感覚的に修正していたあの時間が、嘘のようになくなります。

そして、一番助かるのが修正のしやすさです。

手描きの型紙は、修正するたびに紙に書き直す必要があります。
でもCADであれば、数字や線を描き変えるだけです。試作を繰り返すような製作では、この差がじわじわと効いてきます。

僕の場合は4回ほど試作をするので、修正が何度も発生します。
その都度すぐに図面へ反映できるCADは、今や無くてはならない存在です。

アイデアを”試す”スピードが格段に上がる

CADを使っても、革の特性による調整は必要です。
「型紙通りに作ったのに、イメージと違う」
「革の厚み分、想定より硬くなった」
そういった試作は、何度やっても発生します。

ただ、型紙を作るまでのスピードが、手描きとは数段違います。

方眼紙に下書きして、曲線を調整して、カッターで切り出して…
1枚できるたびに時間と体力を消耗します。
CADなら、その工程のほとんどが画面上で完結します。

さらに大きいのが、複数のアイデアを同時に展開できることです。

手描きでは「まずAの形を作って、試作して、ダメだったらBを作る」という直列の作業になりがちです。
CADなら「AもBもCも、画面上で並べて比較する」ことができます。

特にキーホルダーなどいろんな形を試したい時には、1枚の図面に思いつくだけ描いていきます。そして実際に試作を作ってバランスの良いものだけを残す。

試作の回数が減るわけではありません。でも、手描きの時間を大幅に削減できる。 その分、本当に手を動かすべき工程に集中できます。

型紙データが”資産”になる

手描きの型紙には、もうひとつ管理という悩ましい問題があります。

作った型紙はクリアファイルなどに入れて、どこかに保管していませんか?

ただ、使う頻度が低いものは「捨てるべきか、取っておくべきか」と悩み続ける。
思い切って処分したあと、また同じものが必要になって作り直す羽目になる。

以前、もう使わないと思っていた手描きの名刺入れの型紙を捨てたことがありました。
捨てた後にプレゼントした人たちが喜んでいたことがわかり、また大切な人のために作ろうと思って型紙を探しても探しても見つからない。

「そういえば捨てたんだった!もう少しだけ取っておけばよかったー!」

自分も使っていたので、その寸法を拾い直してCADでデータを作り直しました。
あの手間があったから、今は全部データで残しています。

さらに、型紙は使い続けるうちに端が傷んだり、湿気で歪んだりします。
大切に保管していても、時間が経つほど精度が落ちていく。

CADのデータにはそれがありません。

一度作ったデータはファイルとして保存されます。劣化しない、なくならない、何度でも同じ精度で出力できる。1年前に作った型紙も、5年前に作った型紙も、データさえあれば今日また使えます。

そして、データ化された型紙はそのまま資産になります。

寸法や形状が正確なデータとして残っているということは、ワークショップで参加者に渡す型紙を印刷することも、可能性として持てるということです。

手描きの型紙は「自分だけのもの」で止まりがちです。CADのデータは「誰かに渡せるもの」になります。ワークショップも、型紙販売も、その先の可能性をデータが支えてくれます。

おわりに

今回はCADでできることを3つ紹介しました。

CADでできること
  • 寸法を数字で入力するから、左右対称も曲線も正確に作れる
  • 複数のアイデアを画面上で同時に展開できるから、試作までのスピードが上がる
  • データとして残るから、劣化しない・なくならない・資産になる

レザークラフトは手を動かすことが楽しい作業です。CADはその楽しさを奪うものではなく、「型紙を作る手間」を減らして「革を触る時間」を増やすためのツールです。

次回は実際にCADを使った型紙作りの全体の流れを紹介します。アイデアが生まれてから試作ができあがるまで、どんなステップで進むのかを具体的にお伝えします。CADについて気になることがあれば、インスタのDMにお気軽にどうぞ。

僕がCADで作成した型紙は、こちらからご購入いただけます。

「本当に自分にも作れるかな…」と不安な方でも、
手順通りに進めるだけで、ちゃんと形になるように設計しています。
ぜひ、“自分にも作れた”という達成感を味わってみてください。

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